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Research Topics.
人はなぜ、自らの身体を思いのままに動かせるのでしょうか?
心と身体は、どのような仕組みでつながっているのでしょうか?
私たちは、人間の中に秘められた“制御の原理”を探り、その謎に挑み続けています。
Moonshot研究開発事業 目標3
「主体的な行動変容を促すAwareness
AIロボットシステム開発」supported by JST
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無意識の知性 気づき ロボットサポート

「主体的な気づき」とは、どのように定義され、またそれを人工的に補助することは可能なのか。我々はこれまでの研究で、義手などのロボットデバイスを利用し人の無意識下での動作を適切に代替することで、主体的な行動変容を促しうること示してきた。人の無意識下では、豊かな知性を持った情報処理が行われているが、そこでは状況を処理しきれず、論理と経験に基づいた判断が必要な場合、その処理が意識に上る。これが「主体的な気づき」の瞬間と定義できる。物理的な身体を持つロボットの介在は、無意識下への働きかけの多様性を生み、様々な気づきを与える可能性を秘める。本提案ではこの考えに基づき、人の無意識下に適切に働きかけることで、主体的な気づきを生むAIロボットシステムを開発する。しかし 一般的に主体的な気づきは個人内に留まってしまう。本研究では、AIによる可能性の主体的な気づきだけではなく、周囲と関係を構築することで自らの可能性の社会的・空間的な広がりを生み、さらには努力の継続により可能性を時間方向へ拡大する、といった3分野をAIロボットシステムにより補助することを考える。この3分野のAIを統合したシステムをAwareness AIと呼び、2030年まではそれぞれの分野に分けて適切な研究対象とマイルストーンを設定することで、AIシステムの構築を進め、2030年以降の分野統合により、2050年に「可能性を『気づかせ』、関係を『構築』し、努力を『継続させる』AIシステム」として、Awareness AIの完成を目指す。

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「Contact Realityの実現による遠隔触診システム開発」by NEDO
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触診 遠隔システム Contact Reality

COVID-19のパンデミックによる社会的混乱は、世界中を超高速で移動可能な現代社会において、「人と人との接触」が我々の生命を脅かすほどのリスク要因となることを如実に示した。一方で、この混乱の中で様々な活動がOn-line化し、人と会うことが極端に制限された生活を経た結果、直接会うことの意義が様々な側面からあらためて強調されるようになったのも事実である。このような状況を背景に、技術的進歩によって、直接会うことと同等もしくはそれ以上の効果をOn-lineで実現することは可能なのかという問いが浮かび上がる。中でも、触診が可能であるほどの接触感覚の仮想空間での再現には、触れたことにより得られる情報を取得するだけでなく、人と人が触れ合うことによって生じる心理的な効果も考慮する必要がある。このような人同士の仮想空間での接触再現を、本研究では「Contact Reality(CR)」と呼ぶことにする。 本研究では、このCRを利用した触診システムの実現を目指し、触診の中でもすでに手技手法やその評価法が確立している整形外科領域に注目する。特に、疼痛や関節異常の診断時に行われる前腕および手関節の触診に対象を絞り、適切な遠隔触診を可能にするためのデバイス開発とシステム構築を進める。これにより、現場での触診と同等以上の診断をCRによって実現し、単に触れた感覚を遠隔で伝送するだけではなく、医師と患者の心理的距離をも縮めることのできる、次世代の遠隔触診基盤技術の確立を目指すものである。

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セコム科学技術振興財団 特定領域研究助成
「複合感覚空間コンピューティングによる家族間での認知機能の強化システムの開発」
supported by 公益財団法人 セコム科学技術振興財団
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認知機能 空間コンピューティング

「技術により生み出された分断社会を、技術により再び繋ぐ事ができるのか」、これが本プロジェクトで目指す大きな命題である。インターネットを中心とするIT技術の発展は、利便性やグローバル化を進めた一方で、富の偏在や意見の分断を助長し、安全安心な社会の根幹を揺るがす「分断社会」を生み出した。この課題に対し、解決の鍵となるのが、脳神経科学とAIロボティクスである。脳科学の進展により、「幸福感」や「信頼」などの抽象概念さえも脳活動として科学的に捉えることが可能になりつつあり、分断の要因には、前頭前野の過剰な論理性と情動制御の欠如が関わっていると考えられる。一方、AIロボティクスは、身体的な支援にとどまらず、適切な脳神経系の状態をつくる介入手段としての可能性を持ちつつある。これまでに遠隔触診システムの開発を通じて、人間関係における信頼構築にロボットが寄与できることが示されてきた。そこで本研究では、分断社会の解消に資する基盤技術として、人間情報に基づき家庭内でのコミュニケーションを促進し、認知機能を強化する「複合感覚空間コンピューティングシステム(MMSC)」の開発とその実証を目指す。家庭は、人の「素」の状態が現れやすく、認知機能の変化が最も早く表れる場でもある。この場において、脳深部ネットワーク(島皮質・海馬など)の活動を適切に調整する技術を確立すれば、分断社会の克服と安全安心な社会の実現に大きく貢献すると期待される。

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coming soon

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